定住者ビザとは?種類・該当するケースと要件を行政書士が解説

定住者ビザとは?種類・該当するケースと要件を行政書士が解説 ビザ手続き
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「自分は定住者ビザに当てはまるのだろうか」「日系人だと聞いたが、どんな条件で日本に住めるのか」と悩む方は少なくありません。在留資格のなかでも定住者ビザは対象になるケースが幅広く、仕組みがわかりにくいため、次のような相談がよく寄せられます。

  • 「日系3世だが、定住者ビザで日本に住んで働けるの?」
  • 「日本人の配偶者と離婚したら、在留資格はどうなる?」
  • 「定住者ビザに必要な書類や、在留期間はどのくらい?」

結論から言えば、定住者ビザは特別な身分や事情がある人に、法務大臣が居住を認める在留資格で、就労制限がなく幅広い仕事に就けます。ただし、該当するケースが法律であらかじめ定められた「告示定住」と、個別の事情で認められる「告示外定住」に分かれており、条件も異なります。そこでこの記事では、定住者ビザの種類・該当するケース・要件・必要書類を、行政書士がわかりやすく解説します。

定住者ビザとは?まず結論をおさえよう

定住者ビザとは、正式には在留資格「定住者」といい、法務大臣が特別な理由を考慮して、一定の在留期間を定めて居住を認める在留資格です。入管庁は該当する人の例として、第三国定住難民、日系3世、中国残留邦人などを挙げています。

大きな特徴は、就労に制限がないことです。つまり、永住者や日本人の配偶者等と同じように、業種を問わずどんな仕事にも就くことができます。一方で、永住者とは違い、在留期間があるため定期的な更新が必要です。

定住者ビザの2つの種類

定住者ビザは、大きく次の2種類に分かれます。まずこの違いを理解することが大切です。

告示定住(こくじじゅう)

あらかじめ「定住者告示」(平成2年法務省告示第132号)で定められた類型です。日系人や、定住者の配偶者、扶養を受ける子などが該当します。告示定住に当てはまる場合は、海外から在留資格認定証明書を取得して新規に来日することもできます。

告示外定住(こくじがいじゅう)

告示には定められていないものの、個別の事情を考慮して認められるタイプです。たとえば、日本人と離婚した後も日本で暮らし続けるケース(離婚定住)などが代表例です。告示外定住は、すでに日本にいる人が在留資格を変更する形で申請するのが基本です。

告示定住の種類【告示1号〜8号】

告示定住は、定住者告示のなかで号ごとに対象が定められています。専門的な条文をかみくだくと、主な内容は次のとおりです。

告示の号主な対���
1号第三国定住難民(国際的な保護が必要と認められ、日本が受け入れる方)
3号日系2世・3世(日本人の子として生まれた方の実子で素行が善良な方)
4号日系3世の一部(元日本人の子孫にあたる実子の実子で素行が善良な方)
5号日系2世の配偶者、1年以上の在留期間を持つ定住者の配偶者など
6号日本人・永住者・特別永住者・定住者などの扶養を受ける未成年で未婚の実子(いわゆる連れ子定住を含む)
7号日本人・永住者・定住者・特別永住者の扶養を受ける6歳未満の養子
8号中国残留邦人と、その配偶者や子などの親族

このように、告示定住は血縁や家族関係にもとづく類型が中心です。なお、2号は現在削除されています。

日系人は世代によって扱いが変わる

日系人の場合、何世かによって使える在留資格が異なる点に注意が必要です。おおまかに整理すると、次のようになります。

世代主な在留資格
日系2世「日本人の配偶者等」または定住者(告示3号)
日系3世定住者(告示3号・4号)
日系4世原則として特定活動(告示43号)。ただし、1年以上の在留期間を持つ日系3世の定住者に扶養される未成年未婚の実子であれば定住者(告示6号)になる場合もある

つまり、「日系人ならみんな定住者ビザが取れる」と考えるのは正確ではありません。とくに日系4世は、原則として定住者ではなく特定活動(告示43号)での受け入れになる点に注意しましょう。

告示外定住の主なケース

告示に定められていなくても、個別の事情で定住者ビザが認められる告示外定住には、次のようなケースがあります。

  • 日本人・永住者・特別永住者と離婚した後も日本に在留する離婚定住
  • 配偶者と死別した後の死別定住
  • 日本人の実子を養育している外国人の親(日本人実子扶養)
  • 難民認定を受けた方、補完的保護の対象と認められた方
  • 日本の高校を卒業した外国籍の方など

とくに相談が多い離婚定住では、次のような点が総合的に考慮されます。ただし、いずれも個別の判断になります。

  • 日本での婚姻期間がおおむね3年以上あり、正常な婚姻関係が続いていたこと
  • 独立して生計を営めること(収入や資産、技能など)
  • 日常生活に不自由しない程度の日本語能力があること
  • 納税など公的な義務を果たしていること

離婚後にとどまれるかどうかは、こうした事情によって変わります。連れ子を日本に呼ぶケースについては、こちらの記事もあわせてご覧ください。

【家族滞在・特定活動】自分のビザが取れたから親族を呼びたい!でも実は「親・兄弟」を呼ぶのは難関って本当?

定住者ビザの就労と在留期間

前述のとおり、定住者ビザには就労制限がありません。そのため、正社員・アルバイトを問わず働くことができ、転職も自由です。

在留期間は、5年・3年・1年・6か月、または法務大臣が個々に指定する期間(5年を超えない範囲)です。いずれも在留期間があるため、期限が来る前に更新の手続きが必要です。

なお、告示6号などでいう「未成年」は、令和4年(2022年)4月1日から20歀未満ではなく18歳未満に変更されています。そのため、同日以降は18歳以上の方が「未成年で未婚の実子」として新たに定住者で入国することはできません。

定住者ビザの必要書類

必要書類は該当するケースによって変わりますが、一般的には次のような書類を準備します。

  • 在留資格認定証明書交付申請書、または在留資格変更許可申請書
  • 証明写真
  • 本人の身分関係を証明する書類(戸籍、出生証明書、婚姻・離婚証明書など)
  • 日系人であることを証明する書類(該当する場合)
  • 住民税の課税・納税証明書、預貯金残高など生計を証明する書類
  • 身元保証書、理由書(事情を説明する書類)

とくに告示外定住では、「なぜ日本での在留を続ける必要があるのか」を説明する理由書が審査の重要なポイントになります。なお、定住者の申請は告示外のケースを含めてオンラインでの申請が可能です。

定住者ビザから永住権へ

定住者ビザを持つ人が、より安定した永住者を目指すこともできます。一般的には、定住者として引き続き5年以上日本に在留し、素行が善良で、独立した生計を営めることなどの条件を満たせば、永住申請が可能になります。定住耆・永住者・配偶者などの違いは、こちらの記事で詳しく比較しています。

配偶者・定住者・永住者の違いをわかりやすく解説

制度の詳細は、出入国在留管理庁「在留資格『定住者』」のページでも確認できます。

よくある質問

Q. 定住者ビザで働くのに制限はありますか?

A. ありません。就労制限がないため、業種や職種を問わず働くことができ、転職も自由です。この点は就労ビザと大きく異なります。

Q. 日本人と結婚したら定住者ビザになるのですか?

A. いいえ。日本人と結婚している間の在留資格は「日本人の配偶者等(配偶者ビザ)」であり、定住者ではありません。定住者(離婚定住)は、あくまで離婚などで配偶者ビザが使えなくなった後に、事情によって認められる場合がある在留資格です。

Q. 日本人の配偶者と離婚したら、すぐに帰国しないといけませんか?

A. 必ずしもそうではありません。日本での婚姻期間や生活の実態などの事情によって変わります。連れ子を日本に呼ぶケースについては、こちらの記事もあわせてご覧ください。

Q. 定住者ビザの在留期間はどのくらいですか?

A. 5年・3年・1年・6か月、または法務大臣が個々に指定する期間(5年を超えない範囲)のいずれかです。いずれも更新が必要です。

まとめ

定住者ビザのポイントを整理すると、次のとおりです。

  • 定住者ビザは、特別な身分や事情がある人に認められる在留資格で、就労制限がない
  • あらかじめ定められた告示定住(告示1号〜8号)と、個別事情で認められる告示外定住の2種類がある
  • 日系人は世代で扱いが異なり、日系4世は原則として特定活動(告示43号)
  • 在留期間があるため更新が必要で、5年以上の在留などで永住申請も目指せる

このように、定住者ビザは対象が幅広い一方で、告示定住か告示外定住か、どのケースに当てはまるかによって、必要書類や審査のポイントが変わります。ご自身の状況で当てはまるか判断に迷う場面も多い在留資格です。

定住者ビザの相談は当事務所へ

行政書士すずらん国際法務事務所では、定住者ビザの申請や変更を数多くサポートしています。「自分は定住者ビザに当てはまるのか知りたい」「離婚後も日本に住み続けたい」といった段階からのご相談も歓迎しています。英語でのご相談にも対応していますので、まずはお気軽にお問い合わせください。

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