育成就労の「転籍」ルールとは?技能実習との違いを解説【2027施行】

育成就労の「転籍」ルールとは?技能実習との違いを解説【2027施行】 外国人雇用
この記事は約4分で読めます。

技能実習制度では、実習生が自分の意思で勤務先を変えること(転籍)は原則できませんでした。2027年までの施行が予定されている(2027年春頃の見込み)育成就労では、この点が大きく変わり、一定の条件のもとで「本人の意向による転籍」が認められます。受け入れ企業にとっては「せっかく育てた人材が流出しないか」が気になるところです。この記事では、育成就労の転籍ルールと技能実習との違い、そして企業ができる定着対策を、行政書士が解説します。

📌 関連記事:育成就労制度とは?技能実習との違いと2027年施行のポイント
📌 関連記事:技能実習は「育成就労」へ|2027年施行に向けて企業が準備すべきこと

「転籍」とは?技能実習との最大の違い

転籍とは、外国人が働く受け入れ先(育成就労実施者)を変えることです。育成就労での転籍には、大きく2種類あります。

  • やむを得ない事情による転籍:倒産・人員整理・ハラスメントなど、本人の責任によらない事情がある場合(技能実習でも認められていた類型)
  • 本人の意向による転籍:本人がより良い環境を求めて自ら転籍する場合(育成就労で新たに認められる類型)

この「本人意向の転籍」が認められた点が、技能実習からの最も大きな変化です。ただし、無条件ではなく4つの要件を満たす必要があります。

本人意向による転籍の4要件

  1. 同一の業務区分内であること(分野をまたぐ転籍は原則不可)
  2. 転籍制限期間(分野ごとに1〜2年)を経過していること
  3. 技能・日本語の一定要件を満たしていること(例:日本語能力試験N5~N4相当など)
  4. 監理支援機関・外国人育成就労機構・ハローワークによる職業紹介を通じて行うこと

つまり、就労開始からすぐに自由に転職できるわけではなく、一定期間・同じ分野・一定の技能日本語レベルという枠の中で認められる仕組みです。

転籍制限期間は分野ごとに1〜2年

本人意向の転籍ができるようになるまでの転籍制限期間は、分野別の運用方針により1年以上2年以下の範囲で定められます。技能の習得に時間がかかる分野(介護・建設・工業製品製造業など)は2年、その他の分野(宿泊・農業・漁業など)は1年とされる方向です。なお、2年とされた分野でも、受け入れ機関の判断で1年に短縮できる仕組みも設けられます。

分野の性質転籍制限期間の目安
技能習得に時間を要する分野(介護・建設・工業製品製造業 等)2年(機関の判断で1年に短縮可)
その他の分野(宿泊・農業・漁業 等)1年
※対象分野の区分・期間は今後の分野別運用方針で確定します。最新の公式情報をご確認ください。

昇給の取り扱い

転籍制限期間が2年の分野では、当該分野の直近の昇給率を基準に昇給率を毎年設定・公表し、1年目から2年目にかけてその昇給率で昇給させることが求められる方向です。長く働くほど処遇が上がる仕組みにすることで、早期の転籍を防ぎ、定着を促す狙いがあります。

企業ができる「定着対策」

本人意向の転籍が可能になる以上、企業は「選ばれ続ける職場」であることが重要になります。次のような取り組みが定着につながります。

  • 適正な賃金と明確な昇給:地域・同業の水準を意識し、頑張りが処遇に反映される仕組みにする
  • キャリアの見通し:特定技能1号・2号への道筋を示し、長期的に働ける将来像を共有する
  • 生活面のサポート:住環境・日本語学習・相談体制を整え、安心して暮らせるようにする
  • 良好な人間関係:現場でのコミュニケーションや母国語での相談窓口を確保する

いつから始まる?

育成就労制度は2027年4月1日施行予定です。転籍の細かな要件や分野別の期間は、施行に向けて公表される運用方針・政省令で最終的に定まります。制度開始前から、賃金・キャリア設計など「定着の仕組み」を準備しておくことをおすすめします。

まとめ

育成就労では、同一分野・転籍制限期間(1〜2年)経過・技能日本語要件・職業紹介経由という4要件のもとで本人意向の転籍が認められます。技能実習からの大きな変化であり、企業には「選ばれる職場づくり」がこれまで以上に求められます。制度の詳細は今後の運用方針で確定するため、早めの情報収集と準備が大切です。

当事務所では、育成就労の受け入れ準備・在留資格の手続き・定着支援の体制づくりまでサポートしています。「転籍ルールをふまえてどう備えるべき?」といったご相談も歓迎です。
▶ 育成就労の受け入れについて無料相談する

あわせて読みたい関連記事

FOLLOW

Instagramでもビザ・在留資格などの情報を発信中!

最新情報や事務所の様子をお届けしています。 @suzuran_gyo415

投稿を見る →
外国人雇用特定技能育成就労
行政書士 岩田涼香をフォローする

コメント

タイトルとURLをコピーしました
✉️ 無料相談 🏠 HPはコチラ